うららか絵本のブログ

絵本と文庫とたまに雑学

【20】十年屋 あなたに時をあげましょう

2023/4/9

 

もしも魔法の存在が、

おかしくない世界に住んでいたとしたら

一度この建物を訪れてみたいと思うのです。

 

「十年屋 あなたに時をあげましょう」

 

作者 廣嶋玲子 画家 佐竹美保 
発行所 株式会社ほるぷ出版

 

今回、ご紹介するのは

「十年屋」シリーズの2冊目です。

※2023年4月現在、6冊目まで発行

 

だれにも渡したくない、なくしたくない、どこかに大事に保管しておきたい

そんな思い出のものを、時の魔法をかけて預かってくれるのが「十年屋」。

 

自分が強く思った時に、十年屋へ訪れるための扉が開きます。

魔法なので、品物を預けるのは対価が必要ですが、

対価を払ってても、預けたいと考える

いろいろな人のお話。

 

1冊に6人のお話が書かれているのですが、

これがどれも面白い。

考えさせるものもあれば、少しゾッとする話、

そして泣ける話など読みごたえばっちりです。

(そしてシリーズをすべて読みたくなる)

 

そして魔法使いが雇っている執事猫が、

十年屋を訪れたお客様におやつを勧めてくれるのですが、

これが本当に美味しそう。

 

イチゴとブルーベリー、そしてフルーツの下に

しきつめたカスタードクリームが絶品なフルーツタルト。

 

チーズの塩気と香りが完璧なハーモニー

きれいな正三角形の形をしたチーズクラッカー。

 

おいしそうでしょう?

まだ3冊目までしか読んでいないので

あと3冊読むのがとても楽しみ。

 

それでは、また。

【19】オレ、なんにもしたくない

2023/4/4

 

そう、たまにはこんなふうに思います。

 

「オレ、なんにもしたくない」

文 デヴ・ペティ 絵 マイク・ボルト 訳 小林賢太郎
発行 株式会社マイクロマガジン社

 

以前、ご紹介した 【18】オレ、カエルやめるや の続編の絵本です。

今回のカエルくんは、なーんかなにもしたくない から始まります。

 

お父さんカエルに「これすれば?」と言われても気がのらない。

お友達になにをしたらよいか聞いてみても、パッとした答えがない。

 

なにをしたらよいのかと探している中で

一匹のカエルが現れ

「なにかをしないといけないのかい?」と聞いてきます。

 

そうですよね。

なんにもしない日があってもよいじゃない。

 

あれもしなきゃ、これもしなきゃ、

時間を無駄にしないように頑張らなきゃって

毎日、キリキリ過ごしている気がします。

(特に3月はバッタバタ)

 

でもカレンダーに予定を入れるように、

カレンダーになんにもしないと予定を入れてみるのもいいですね。

 

心に余裕をもった生活を2023年度は過ごしたいものです。

 

それでは、また。

 

【18】オレ、カエルやめるや

2023/3/5

カエルの親子がコミカルな会話で繰り広げる

自己肯定のお話。

【オレ、カエルやめるや】

 

文 デヴ・ペティ 絵 マイク・ボマガジン 小林賢太郎
発行 株式会社マイクロマガジン社

 

カエルの「オレ」はカエルじゃなくて

ふさふさしたかわいいものになりたい。

だってカエルはぬれてるし、、

 

子供カエルの「オレ」がお父さんカエルに

大きくなったらを何になるかについて話をしてます。

 

いやいやいや、おまえはカエルだから大きくなっても

カエルだよ。

お父さんカエルが諭しますが、子供カエルは譲りません。

そこへオオカミが現れて、、。

 

この絵本はシリーズもので、題名がどれもそそられます。

・オレ、おおきくなるのいや

・オレ、なんにもしたくない

・オレ、ねたくないからねない

 

まるでうちの子供たちのセリフのよう。

絵と文字の配分も絶妙で、スルッと読めるので

3才くらいからから読み聞かせOKだと思います。

 

最近も絵本巡りをしているのですが

本当に日本、海外問わず面白い絵本がありますよね。

 

これは!と面白い絵本に出会った時のトキメキは

大人にももちろんあると思っています。

 

また面白い本に出会えるとよいな。

 

それでは、また。

【17】おおさむこさむ

2023/2/23

初めて会う親切そうに見える人(?)に油断したらだめよと

防犯について教えることができる絵本

 

【おおさむこさむ】

さく こいでやすこ 発行所 福音館書店

おおばあちゃんが止めるのも聞かずに、

新しいマントでそり滑りに出かけたきつねのきっこたち。

 

そこに、よいそり滑りの場所があるよと、ニコニコ声をかけてきた雪だるま。

最初は仲良く遊んでいましたが、その雪だるまが裏で考えていたこととは、、。

 

作者こいでやすこさんの絵は、ほんわかしていて

全体的に優しい世界観で進むのですが、その中に現れた雪だるま。

先はどうなるの?と読んでいてドキドキします。

 

福音館書店の紹介文では、3才からとのことで

こどもに防犯について教えるには最初の一歩のよい絵本だなと思います。

 

また「きつねのきっこちゃん」はシリーズもので、

今回ご紹介した絵本は3弾目とのこと。

 

他の本の紹介文を読んでみたところ、他の2冊も面白そう(美味しそう)でした。

美味しそうな絵本は大好きなので、今度また探して読んでみたいと思います。

 

今回ご紹介した絵本の中で、おおばあちゃんの家のいろりが

赤々と燃えており、そこに鉄瓶がかかっているのですが

それが寒い外と対比され、すごく暖かい雰囲気を出しています。

 

実は、最近我が家でも、鉄瓶を使い始めました。

 

鉄瓶にお水を入れて、白湯を作るところから一日がスタートします。

少しだけ、丁寧に時間を過ごしている気がして

気持ちが上向きになります。

 

そして白湯で淹れる紅茶がまた美味しいのです。

そういえば、今年の冬は風邪を引いてませんので

もしかしたら、白湯と紅茶のおかげかもしれませんね。

 

それでは、また。

【16】おひなさまの平安生活 えほん

2023/2/21

お雛様のごちそう、歴史、行事について学べる絵本

「おひなさまの平安生活 えほん」

作者 ほりかわ りまこ 発行所 あすなろ書房

この絵本を読む時期がやってきました。

小学生向けだと思いますが、3月3日のひな祭りのご馳走や

お雛様の由来、そして平安時代の生活など

個人的に私の趣味、ドンピシャの絵本です。

 

特に平安時代の女性の「着物のかさねの色目」についてなんて、、

もう読んでて素敵すぎる!とテンションが上がってしまいます。

 

そして気分的にこの時期しかこの本は読み聞かせをしないので

子供たちの成長がわかりますね。

少し難しい部分もあるので、年単位で読み聞かせする絵本としては

お勧めだなと思います。

 

さてさてお雛様ですが、飾って数日たってから

「小さい頃はお雛様でお人形遊びをしたなぁ」とポツリの言うと

 

「ずるい!お母さん、私たちにはお雛様触ったらダメって言うでしょ」と反論が。

 

確かに、よだれをたらし放題だった赤ちゃんの頃は

主力メンバーのみたんすの上に飾ってました。(手が届かないように)

ここ2、3年でやっと地上で飾れるようになりましたが

やつぱり不安で「触ったらダメよ!」と言い聞かせてました。

 

でも今はお雛様の髪を引っ張るとか

道具を雑に扱うとかはなくなったので、2023年とうとう解禁。

「お雛様で、お人形遊び」

 

日頃は家事でバタバタしており、

子供たちのごっこ遊びに入ることはないのですが

「お雛様を使ってお人形遊び」一緒に遊びました。

 

なんかね、楽しかったです。

子供たちも楽しそうでした。

 

ほんの数十分の時間ですが、

いつか振り返ったら大事な思い出になるような

時間を感じました。

 

もしかしたら、こういった時間を過ごすために

年中行事ってあるのかなと思った夜でした。

 

それではまた。

【15】オニのサラリーマン

2023/2/14

じごくカンパニーの平社員

オニガワラさんの日常を軽快な関西弁で紹介する

「オニのサラリーマン」

 

文 富安陽子 絵 大島妙子 発行所 株式会社福音館書店

 

節分は終わったのに、オニのお話で恐縮ですが

以前から気になっていたこの絵本を手に取ってみました。

 

題名から始まって、絵もインパクトがあり

期待しながら読み進めましたが、これはまた裏切らない面白さでした。

絵の細部もこだわっていて、二度読みが楽しみです。

(こだわりを見つけ出すのが面白い系の絵本)

 

うきうきと帰宅し、子供たちに見せると

保育園でよく読んでいて、すごくお気に入りだったとのこと。

 

全然知りませんでしたね。

恐らく、「こんな本読んだ。面白かった」と子供たちなりに

伝えてくれていたのだと思いますが、全然覚えてない(むしろ聞いてない?)

 

毎日が怒涛のように過ぎてゆき、あっという間の保育園時代でした。

 

でも今は、あの頃はできなかった絵本を読みながら子供に感想を聞いたり、

それをこのブログに書きとめたりなど少しずつではありますが、

心にゆとりが生まれてきているのでしょうか。

 

そして子供たちが少しずつ育っているのも大きいのでしょうね。

このまま小学生時代もあっという間に過ぎ去ってしまうかもしれないので

改めて子供たちとの時間を大事にしようと思いました。

 

寝る前の絵本の読み聞かせを「いらない」と言われる「いつか」まで

読み続けようと今日も母は思います。

 

それでは、また。

 

【14】おばけえんはすぐそこです

2023/2/6

 

おばけ(妖怪)が通うおばけえん。

山崎るり子さんのリズミカルな詩にのせて

園生活が繰り広げられます。

 

「おばけえんはすぐそこです」

詩 山崎るり子 絵 石黒亜矢子 発行所 福音館書店

 

子供のおばけたちが通う幼稚園ならぬ「おばけえん」。

クラスの担任の先生は、絶対に勝てそうにない、ふるギツネ。

(妖狐という呼び方の方がよいでしょうか)

 

クラスのみんなは、それぞれが絵本の主役になれるおばけたち。

 

お話の目線が子供なので

おばけなんですが、なんともかわいいのです。

 

このお話は4,5才くらいから読み聞かせしていたような

覚えがありますが、こどもたちは特に怖がることなく

自分の保育園生活に重ねて聞いていた記憶があります。

 

ただ、、やまんばの話は少しだけ怖がっていたような。。

 

私は一番最後の裏表紙に描かれている1枚の絵が一番好きです。

いたずらをした化け猫が、先生に「メッ」とされていて

いたずらしたところを戻しています。

 

さていたずらしたところとは?

気になった人はぜひ読んでみてくださいね。

 

それでは、また